お金の悩み

修学旅行費が払えないとどうなる?援助を受ける方法や返金の事例を解説

修学旅行代が払えない!対処法はあるの?

親としては絶対に行かせてあげたい学校行事のひとつとして「修学旅行」があります。

子どもにとっては人生に何度とない、友達同士での大きな旅行です。

それなのに家庭の経済的な問題で修学旅行費が用意できず、それを察した子どもが親に気を遣って「修学旅行に行きたくない(行かなくてもいい)」などと言うこともあるようで、本当に胸の痛い話ですよね。

今日中に現金が必要なら

  • 「修学旅行代って高い。とてもじゃないけど工面できない」
  • 「積立金を払っていないと修学旅行に行けないの?」

そこで今回は、修学旅行費の問題を解消する方法をご紹介していきます。

修学旅行費が払えない時は学校に相談を!

修学旅行代を払わないと、「あとで払うから」と教師に申し込んでも修学旅行に行けないケースがほとんどです。

未払いのまま同行した場合でも将来的に催促状が届きますので、決して無視することはできません。

修学旅行代の工面が難しいと判断した場合には、まずは学校や担任教諭への相談。

生活保護を受けている場合などは、各自治体の実施している就学援助が受けられるかどうか確認しましょう。

詳しくは本文を参考にしてください。

修学旅行費はどのくらいかかる?

修学旅行代ってどのくらいかかるの?

修学旅行のお金がどれくらいかかるのかは、通っている学校や学年にもよります。

たとえば一般的に、公立より私立の方が負担は大きいです。

また、小学校より中学校、中学校より高校と学年が上がるにつれて、修学旅行の日数が増えることで費用も高くなっていきます。

もちろん行き先によってもさまざまです。たとえば公立であっても海外に行くような学校であれば費用は高くなりますし、私立でも国内なら安く済むこともあります。

それらを踏まえたうえで、ここでは目安として小学校・中学校・高校の修学旅行代の相場をそれぞれまとめてみました。

あくまで目安にはなりますが、参考にしてみてください。

小学校の修学旅行費用

小学校の修学旅行の費用の相場は、文部科学省の調査によると以下の通りです。

<修学旅行・遠足・見学費>

公立小学校 6,951円
私立小学校 44,816円

※参考:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査(調査結果の概要)

小学校の修学旅行は比較的近隣で実施されることもあって、公立であればそこまで高くはありません。

また、就学援助などを受けている家庭であれば、そもそも費用がかからない可能性があります。

一方、私立小学校では比較的遠方に何泊かすることも多いためか、公立の6倍以上の費用がかかります

中学校の修学旅行費用

中学校の修学旅行の費用は以下の通りです。

<修学旅行・遠足・見学費>

公立中学校 26,217円
私立中学校 82,578円

※参考:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査(調査結果の概要)

中学になると小学校より遠くに足を延ばすことが多いため、修学旅行代は高くなります。

都道府県にもよりますが、京都・奈良・東京で実施されることが多く、学校によってはディズニーランドやUSJなどのテーマパークに行くこともあるため、その場合は高額になるようです。

私立は近年、中学でも海外に行く学校が増えており、その場合さらに費用が高くなります。

ちなみに国立中学校の場合は、公立〜私立の間くらいが相場です。

高校の修学旅行費用

高校の修学旅行の費用は以下の通りです。

<修学旅行・遠足・見学費>

公立高校 35,579円
私立高校 53,999円

※参考:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査(調査結果の概要)

高校の修学旅行は、沖縄・大阪・京都などが人気で、最近ではマリンスポーツ体験を行なう学校も増えてきました。

飛行機を使うケースが多いことからも、小学校や中学校に比べると旅費は高額になります。

ちなみに、私立は中学校の修学旅行代の方が高くなっていますが、これは進学校の場合、大学受験を控えた高校生よりも余裕がある中学生の方が遠くに行くことが多いからです。

その他「持ち物代」や「お小遣い」もかかる

修学旅行にかかる費用には、旅費だけではなく「お小遣い」もあります。

小中高別のお小遣いの目安は、以下の通りです。

小学校 3,000~5,000円
中学校 10,000~20,000円
高校 30,000円~

学年が上がるほど使うお金も多くなるため、お小遣いだけでもかなりの金額がかかります。

海外に行く場合は、別途パスポートの取得費用もかかる点に注意しましょう。

また、旅行のための持ち物代もいくらかかかります。

  • 旅行用カバン
  • 衣類
  • ガイドブック
  • モバイルバッテリー
  • 衛生用品

以上を含めると、場合によっては旅費と変わらないくらいの出費になってしまうかもしれません。

修学旅行費用の払い方

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修学旅行の費用を払う方法は学校によっても変わりますが、大きく分けると「積み立て」「一括払い」があります。

ただ一括払いであったとしても、基本的に修学旅行の日程は事前に知らされるものなので、急な負担にならないように自分で積み立てておいた方が賢明です。

また、上でもご紹介したように修学旅行の費用は旅費だけではないため、お小遣いなども別途用意しておく必要があります。

何事も早め早めの準備が大切です!

ここでは、修学旅行の支払い方法を「積み立て」「一括払い(前払い)」「一括払い(後払い)」の3つに分けてご紹介しますので、参考にしてみてください。

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1.修学旅行の代金を定期的に積み立てる

多くの学校では、修学旅行代の積立制度を利用できます

特に費用が高くなりやすい中学や高校では、1年生の時から毎月積み立てをして旅費を用意するケースが多いです。

学校側から配布される集金袋、もしくは銀行の口座振替で貯めていく学校が多く見られます。

積立額は学校にもよりますが、ひと月数千円の場合が多いようです。

ただし、この中にはお小遣いや持ち物代は含まれていないため、それらは別途貯金をしておく必要があります。

また、私立の場合は授業料の中に修学旅行代が含まれている場合もありますので、詳細を確認しましょう。

2.最初に一括で支払う

最初に一括で払う

修学旅行代を一括払いで先に支払う方法です。

特に小学校の場合は低額なので、原則一括払いとしているところも少なくありません。

また、積立を導入している学校でも、希望すれば一括払いにできる場合もあります。

ちなみに学校によっては、一括払いすると多少の割引を受けられることもあるようです。

一度にまとまったお金を用意できるのであれば、一括で支払った方がラクかもしれませんね。

ただその一方で、学校によっては金額にかかわらず一括払いのみとしているところもあります。

その場合、前もって自分で貯蓄をしておく必要があるでしょう。

3.最後に一括で支払う

修学旅行までに支払いが間に合わず、最後に一括でかかった金額を支払うという方法もあるようです。

しかし、こちらはなかなかどの学校でも見られないものです。

一括か積立かに関しては保護者が選択して納入する学校も多く、いずれの方法でも支払う金額にほとんど差はありません。

修学旅行の積立金は毎月いくら払う?

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あくまでも一例ですが、中学校で毎月約3,500円程度高校全体で毎月約5,400円程度がおおよその平均積立額となります。

ちなみに高校でかつ行先が海外の場合は、毎月11,000円程度の見込みです。

この数値は、1年生5月~2年生10月までの18か月で積み立てると仮定して、修学旅行にかかる平均金額から割り出しています。

上記はあくまでも一例で、学校ごとに積立額や期間によって違いはあります。

ただ、やはり毎月かかってくるお金としては無視できない金額になっていますね。

積立金を払わないと修学旅行に行けない?

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結論から言うと、現在は積立金を支払っていないと修学良好に行けなくなることが多くなりました。

実は以前から「お金は払っていないけど、どうしても修学旅行には行かせてあげたい」といったケースは、いろいろな学校で散見されていました。

もちろん最終的な判断は子どもに任せるべきですが、嫌がっている場合を除いては行かせてあげたい、というのが実情です。

学校側が旅行代理店に立替で支払い、その場では修学旅行に行けたことが多かったそうです。

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修学旅行費の未払いの発生、その後…

しかしその後、保護者に修学旅行費用の納入を求めても、無視するケースが毎年のように頻発。

実際には「タダで修学旅行に行けた」などと喜ぶ、モラルのない保護者も少なくありませんでした。

これらのことを踏まえ、学校側は修学旅行代を払っていない場合は、例え生徒からの申込があっても連れて行かないという方針を固めたそうです。

ですので、自己積立や一括払いができない場合には、修学旅行には行けないものとして考えておいたほうがよいでしょう。

また、払わずに参加した場合、子どもが大きくなってから催告状が届くケースもあるそうです。

法的措置などは取られませんが、将来の大きな負担となる可能性がある以上、決して未払いのまま済ませてはいけないお金です。

修学旅行費が払えないときの対処法4つ

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それでは、修学旅行代が払えないときにはどうすればよいのでしょうか。

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学校へ相談してみる

公立の場合はほとんどありませんが、私立の場合は一部援助金がある可能性があります。

しかし、私立で援助金を実施している学校もまた一部となっていますので、学校側から修学旅行の費用が出る、ということは基本的にないと考えたほうがよいでしょう。

ただ、学校からの支援はなくても、公的制度を受けられる場合があります。

詳しくは子どもの通っている学校に問い合わせてみてくださいね。

就学援助を受ける

就学援助制度の注意点

就学援助制度とは、各市町村が実施している援助制度で、給食費や学用品のほか、修学旅行費用も支給される制度です。

主に以下のような世帯が対象となっています。

  • 生活保護を受けている
  • 生活保護を受けていないが、それに準ずるくらい生活が困窮している
  • 各自治体の定めた所得の基準値を下回っている
  • 児童扶養手当を受けている

※所得の基準値や条件は各自治体によって異なります。

詳しくはお住まいの市区町村のホームページなどから確認してください。

申請方法は配布プリントをチェック

就学援助の申請方法としては、進学してすぐに配布されるプリントを参照してください。

子どもの持って帰ってくるプリントの中に、就学援助制度の申請用紙が入っているはずです。

そこに必要事項や必要書類を添付のうえ、学校に提出します。

もし貰えていない場合や紛失した場合には、各自治体の区役所などでも申請できる場合があるので、問い合わせてみましょう。

修学旅行費を全額支給してくれる

全額支給!ただし注意点もあり

小・中学校の場合は自治体にもよりますが、ほぼ全額支給されており、実質負担はありません。
ただし、行事が終了したあとに援助費として支給される場合がほとんどです。

ですから、積立の段階ではお金を貯めておく必要がありますので注意してください。

各自治体によって対象となる世帯や補助対象となる品目が違いますので、詳しくは市町村のホームページなどで確認するようにしてください。

高校生の場合は勤労控除の対象に

生活保護を受けている世帯の高校生の場合は、アルバイトの給与で収入があるときに限り、修学旅行の費用が必要経費として控除になる場合があります。

事前に担当のケースワーカーに相談の後、申請が必要になりますが、そうしなければ修学旅行代が全額負担となってしまいます。

ケースワーカーがこのことを知らない場合もありますので、積極的に相談するようにしてください。

また生活保護を受給している場合でも、使用目的が明確で、且つそれが経済的自立につながる場合の預貯金は認められています。

ただし、給与収入がない場合この控除は受けられません。

高校生のアルバイトに関しては、学校側から特別に許可をもらう必要があるケースもあることにも注意してください。

自治体の福祉制度を利用する

修学旅行代がどうしても払えない場合、各自治体の福祉貸付制度の利用を検討してみましょう。

条件が決まっているため、すべての人が利用できるとは限りませんが、対象者は無利息または低利息で必要な資金を借りられます

銀行や消費者金融のローンよりはずっと返済がラクなので、借金をするならまずは福祉貸付制度をチェックしたいところです。

ただし、申請から振り込みまで時間がかかるので、余裕をもって申請する必要があります。

ここでは例として、2つの福祉貸付制度をご紹介します。

母子父子寡婦福祉資金貸付制度

母子家庭や父子家庭などは、母子父子寡婦福祉資金貸付制度を利用できます。

いくつかの資金に分かれていますが、修学旅行代の場合は「修学資金」として、高校生なら月額最大52,500円を無利子で借りられます。

修学旅行のようにまとまったお金を一度に借りるための制度ではなく、奨学金のように毎月振り込まれるシステムである点にご注意ください。

申請や相談は、各自治体のひとり親家庭支援担当窓口や、福祉事務所などで受け付けています。

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯や、障碍者・介護の必要な高齢者などを有する家庭のための制度です。

修学旅行代の場合、「教育支援貸付」として、高校生なら月額最大35,000円(特に必要な場合は最大52,500円)を無利子で借りられます。

また、「就学支度費」として、高校や大学の入学にかかる費用を最大50万円まで借りることも可能です。

所得などの条件がありますが、他にも色々な用途に使えるお金が用意されていますので、各市区町村の「社会福祉協議会」で相談してみてください。

カードローンで借りる

カードローンで借りるのも有り

毎月の積立ができないときにはカードローンでお金を借りて、一括で支払ってしまうことも一つの手段です。

交通費のかかる海外旅行に加え、連泊日数の多い学校もありますが、どんなに高くても30万前後あれば、大体の学校の修学旅行代には足りることでしょう。

どうしても借り入れるときには利息がどれくらいかかるのか、本当に積立ができない収支状況なのか先だって考えておくようにしましょう。

しかし、あくまでもこれは最終手段です。

せっかく子どもを修学旅行に行かせてあげられても、そのあとの生活が圧迫されるようではいけません。

可能な限り、子どもを笑顔で見送ってあげたいですからね。

修学旅行費が返金されることはある?

修学旅行が中止になったり諸事情で参加できなかったりした場合は、修学旅行費は返金されるケースがほとんどです。

たとえば一例ですが、神奈川県立川崎工科高等学校では、中止になった修学旅行費用の返金について公式HPで返金のお知らせを通知した上で、旅行会社との返金手続きをする形で返金されています。

(参照:神奈川県立川崎工科高等学校 公式HP

ただし、ある学校では10月に中止が決定したものの返金が翌年3月になるなど、返金までに時間がかかるケースもあるようです。

修学旅行がキャンセルとなった場合には、その後の返金手続きなどの対応を学校側と旅行会社側で調整するため、返金手続きまでに時間のかかることがあります。

学校側からなにも連絡がないと、「子どもが連絡を受けているのに親に伝え忘れているのでは?」など、どうしても心配になってしまいますよね。

学校側に返金について連絡するのは気が引けるという場合は、担当の旅行会社へ問い合わせると現在の状況を教えてくれる場合もあるので、問い合わせてみるのも良いでしょう。

また、修学旅行費の返金は期限を過ぎると無効となるケースがあるため、お知らせがあった場合は忘れず手続きするようにしてください。

修学旅行代が払えないならまずは周囲に相談を

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修学旅行の平均額、思ったよりも高い!安い!というのは、ご家庭によって様々だったのではないでしょうか。

解決策としては就学援助を受けたり、お金を借りることなどが挙げられました。

調べているなかでは、少しでも収入を増やしてなんとか毎月の積立をしている親のお話もありました。

確かに人によっては高いと感じる修学旅行代ですが、子どもにとっては仲間たちでいく最初で最後の大きな学校行事。

最初は嫌がっていても、「行ってよかった!」と帰ってくる子どもも多いと聞きます。

子どもたちが経験を積み、笑顔で前へ進むために、入学したころから修学旅行代をどう工面していくか、考えておくようにしたいものです。

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